幻肢痛とミラーセラピーのメカニズム

こんにちは(*^_^*)

 

今日は前回に引き続き、幻肢痛のミラーセラピーについて

調べたことと私自身の考えを少しわかりやすく説明したいと思います^^

 

 

目次

幻肢痛の発生メカニズム

②ミラーセラピーで痛みが消えるメカニズム

幻肢痛と脳の自己受容感覚

④リハビリや他の施術への応用

⑤おわりに

 

幻肢痛の発生メカニズム

 

幻肢痛の発生する原因はまだはっきりとはわかっていないようですが

脳の混乱による異常信号が原因ではないかと言われています

 

 

人のからだにはメインコンピューターである脳があり

そこからでているメインの太いコードが背骨の中に入っています

このメインのコードを脊髄(せきずい)といいます^^

 

 

その脊髄からからだの各部位に対して神経が必ず左右に2対ずつでています

 

上り電車と下り電車をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います^^

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青い矢印の上り電車は感覚神経と言って外からの情報や神経の先にある筋肉などの器官の情報を脳に伝えます

(外から中心へ進むので求心性といいます)

 

名前の通り、熱い冷たいなどの温度感覚や触覚、動いた時の動作感覚などを感じるのはこの神経のおかげです^^

 

 

赤い矢印の下り電車は運動神経と言って脳からの指令を筋肉などの各器官に伝えます^^

私たちが動くことができるのはこの神経のおかげですね♪

 

 

 

この二つの神経は脳を通してお互いにフィードバックしあっています

電車で言うと遅れがあったりしたらコントロールルームに連絡が入って時間調整が入るみたいな感じですね^^

 

このコントロールルームに当たるのが脳です

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ですが、切断やもしくは先天的なもので神経の先にある器官がなくなってしまうと筋肉や皮膚などの感覚器官からの情報がなくなります

 

上り電車がこない状態です(*´Д`)

 

 

そうすると脳は慌てます!電車が行ったっきり帰ってこない

連絡もない、何かあったんじゃないか??

緊急事態だ!!!(>_<)

 

で、非常事態を知らせるために出した警報が痛みになるという説です。

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発信しているのは脳なのですが、異常を感じた部位を知らせるための信号なので、

ないはず(もしくは麻痺しているはず)の手足が痛むという状態になります 

 

 

ミラーセラピーで痛みが消えるメカニズム

 

前回お話ししましたが、幻肢痛リハビリテーション

ミラーセラピーというものがあります

 

これは健肢(動かせる手足)と患肢(ない方の手足)の間に鏡を置き

健肢を映し出すことによって

 

あたかも両方がそろっているかのようにみせてリハビリをする方法です

 

※やり方は前回のブログをご覧ください^^

 

 

 

幻肢痛の発生のメカニズムを考えたとき、

ミラーセラピー中のからだの中では次のような仕組みが働いていると考えられます

 

患肢を動かす感覚に合わせて健肢を動かす

健肢が鏡に映るため、失われたほうの足が実際にあり、動いているように見える

視覚的に脳の指令が実行されている、失われた側からの運動フィードバックがきちんと来ていると脳が錯覚

するとパニック状態だった脳が安心し、警報を止める

痛みがなくなる(;´∀`)

 

なので、

必ず健肢と患肢を一緒に動かすイメージで行う

ことが効果を出しやすくするために大切になってくるのだと思います^^

 

 

つまり、何が言いたいかというと

 

実際に患側の手足が動いているわけではないのに

鏡を使って目で見ることで、患肢が動いているということを脳が認識する ということです!

 

 

 

私たちは環境の認識をものすごく視覚(目で見えるもの)に頼っています

そして視覚は実はかなり騙されやすいのです^^

 

トリックアートや錯視の絵などでよくわかるかなと思います

実際に体験してみたい方はこちらから↓↓

目の錯覚が起こる面白い画像のまとめ

 

 

幻肢痛に対するミラーセラピーはそんな脳の習性を逆手に取ったやり方なのだと思います^^

 

 

ちなみにこれを応用してより脳の信号が運動器官に伝わっていることを認識してもらうために、ロボットアームを使って自分の意志で実際にロボットの同部位を動かして幻肢痛をなくす取り組みや、バーチャルリアリティーを使った取り組みもされているそうです♪

バーチャルリアリティー鏡治療で手の痛みを治す

 

ちょっと個人で簡単にはできなさそうですが、これから先のリハビリのやり方の一つと

してとても期待ですね^^

 

 

 

また、一度視覚を通して患肢を自分の意志で動かしているというイメージができれば

あとは目をつぶって頭の中で映像を思い浮かべながら患肢を動かすだけでも同様の効果が得られたとのことです

前回のブログ参照

 

これも、幻肢痛による痛みが実際の切断部にはなく、脳での認識の問題なのだという証拠になるかと思います^^

 

幻肢痛と脳の自己受容感覚

 

脳が感覚神経や運動神経を通してからだの各部位を認識している感覚を自己受容感覚(じこじゅようかんかく)といいます

 

 

幻肢痛がこの脳の自己受容感覚の混乱である証拠として、以下のようなことがわかっています。

 

 

脳にはからだの各部分にあたる領域がそれぞれ決まっています

ですが使われていないとその部分にあたる領域は減り、他のからだの部分に再分配されます

その再編成が多く行われている人ほど幻肢痛が大きいそうです

上記参考:幻肢痛の脳内メカニズム 

 

 

 

また、脳の運動や感覚をつかさどる領域は感覚が優れている場所ほど多く、

人の場合は手先・足首から先・口・目に多くの場所を使っています

(興味のある方はペンフィールドホムンクルスで検索してみて下さい^^)

 

幻肢痛もこの部位に起こることが多いそうです

 

なので、幻肢痛を防ぐには脳のもともとの領域を減らさないように

失った器官を自分でコントロールできているという自己受容感覚を取り戻す、あるいは持ち続けてあげることが必要になってきます

 

 

そのために視覚と脳の錯覚を利用したミラーセラピーのようなやり方で

脳内の自己受容感覚を取り戻し、継続させるということが重要になってくるのではないかと思います^^

 

おわりに

 

私が実際に幻肢痛を訴える人に対して行った実践例はまだ一人ですが、

ミラーセラピーのリハビリでうまく効果が出にくい方、

幻肢痛で悩む方がこの考え方、前回書いたやり方を試していただいて

少しでも効果が出れば幸いと思い、ここに書かせていただきました^^

 

前回のブログの最初にも書きましたが

今回幻肢痛で悩まれていた方はとても勉強熱心な方で

ご自分でも症状解決のためにとても努力されている方です^^

 

そんな方でも解決できないでいたのは

やはり世の中にそういった悩みについての情報が少ない

もしくは専門的なものばかりでわかりにくいためではないかと思います(~_~;)

 

なるべくわかりやすく伝えられるように書いたつもりなのですが

いかがでしょうか?(;’∀’)

 

また、この脳の自己受容感覚をうまく利用すれば

コンディショニングやリハビリテーションでもより効果を引き出すことができると思います(*^^)v

私の整体の技術である、関節ニュートラル整体の柱の一つ、

PNFリハビリテーションとも関係が深いように思います!

 

これからはそのあたりを、もう少しよく考えてみたいと思います^^

 

どうか痛みで悩む方が少しでも毎日を楽に過ごせますように^^

 

今回考えの参考にした本他

間違いだらけのリハビリテーション 三好正堂 著 経営新書

進化しすぎた脳 池谷裕二 著 ブルーバックス

幻肢痛の脳内メカニズム

住谷昌彦 宮内哲 前田倫 四津有人 大竹祐子 山田芳嗣

日本ペインクリニック学会誌

 

 

ここまで見て下さってありがとうございます(*^_^*)

HPやってます!よければ見て下さい^^

綾腰痛肩こり専門ケアルーム